(社)日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は7月7日、東京都中央区新富の日本印刷会館で「drupa2016出張報告会」を開催した。
冒頭、広報部の石橋邦夫部長が今回のdrupaの概要を説明した。来場者数は前回から5万人ほど減少し、およそ26万人だったが、出展社数は54カ国から1837社で依然として世界最大規模のイベントであることを強調。「展示物がdruck(印刷)&papie(紙)から変質しつつあり、機能性印刷や3D印刷などを皮切りにビジネス領域の広まりを見せている」とポイントを紹介。
また、ドイツ機械工業連盟によるPETボトルなどへの直接印刷のPR、インクジェット(IJ)機のB1対応大型化の増加といった傾向も語られた。注目の展示として、Landaと小森コーポレーションの技術を融合した「Impremia NS40」が披露されたことを伝えた。
パッケージに関するトピックは技術推進部の北嶋信幸部長が担当。「前回のdrupaはIJ技術が注目されたが、今回は『パッケージdrupa』といえるほど、包装関連の展示が充実していた」とコメントした。同分野が大幅に成長している背景に触れ、型・版が不要なパターンニスや箔押し、レーザーカットなどの加工技術を紹介。サンプル品を交えた解説では、SCODIXのエンボス加飾やHighconのレーザーカットシステム、クルツのメタリック表現が見られた。これらの技術はDTPが普及したときと同様のインパクトがあるとして、表面加工や箔押しを行う企業の生き残り戦略の重要性を説いた。
デジタル機導入に関する課題について、進歩が著しく導入するタイミングが読みづらいこと、デジタルのオートメーション・スキルレス化が進行するとインクメーカーに主導権を握られてしまうのではといった点が挙げられた。
会期中に成約した大型事例は、「HP Indigo」の10000シリーズ130台以上、KBAは30カ国から60台以上の受注を確保したと報じられた。
(2016年7月15日号掲載)