(株)三條機械製作所(新潟県三条市猪子場新田、松崎仁社長、TEL0256-45-3132)はこのほど、電子写真(EP)方式のデジタル印刷機「SEP-300」を開発。解像度1200×2400dpiで、高画質のニーズに応える。また、ラベル市場におけるこれまでのビジネス慣習を踏襲し、機械メーカーによる「オンコール保守対応」を予定。新需要の開拓を積極化する。
同社ではこれまで、コンベンショナル印刷機の開発・製造ならびに販売事業を推進。特に近年では、小型凸版間欠機の販売台数を順調に伸ばしている。
ラベル市場では近年、短納期化や作業効率化、スキルレス化などを実現する印刷機のニーズが高まっている。同社では、これらに対応するため、3年前にデジタル印刷機の開発プロジェクトをスタート。試作機によるテストと再設計を繰り返し、SEP-300を完成させた。
プロジェクトに携わった機械本部営業部の川島一彦課長は「ラベル印刷の機械や業界を熟知しているコンベンショナル機メーカーが開発した〝ラベル印刷会社のためのデジタル印刷機〟と自負している。昨年のIGASで試作機を参考出品したところ、大きな反響をいただき、コンセプトが間違っていなかったことを再確認できた」と話す。
新機種は設計段階で、ラベル印刷会社の工場に収めやすい「省スペース性」を重視。ロール・ツー・ロールの印刷部は全長1680ミリ、ラミネートと平抜き加工機を含め3580ミリという小型化に成功した。エンジン部は、高画質を再現するLEDヘッドのEP方式を採用。色数はCMYKの4色で、プレコーティングを必要とせず、多彩なラベル基材に対応する。川島課長は「お客さまにご確認いただくためにも、印刷テストに応じたい」と話す。
印刷速度は、基材の材質やサイズなどの条件によって異なるが、基本的には毎分7.26メートル。紙幅は100〜310ミリのフリー対応。「既存のデジタル印刷機は紙幅に制限があったが、新機種はラベル市場のニーズを鑑み、紙幅フリーの印刷を実現」(川島課長)している。
さらに、保守は同社が主体となり、プリンタから搬送機、加工機に至るまで、システム全体に対応する体制を構築した点も、大きな特徴といえる。
(2016年7月1日号掲載)