コニカミノルタはこのほど、デジタル加工機メーカーであるフランスのMGIデジタルテクノロジー(本社・フレンヌ)と追加出資に関する契約を締結。デジタル印刷によるラベルやパッケージ市場への本格的な展開を明らかにした。
コニカミノルタでは2003年から、プロダクションプリント(PP)事業を成長領域と位置づけ、製品・技術開発を推進。また、買収と提携を行うことで、事業規模ならびに業容を拡大した。PP事業の規模は10年間で約5倍に成長。中でもカラープロダクション領域に関しては、現在も積極的にグローバル展開を図っている。
さらに同社は、印刷産業における近年のデジタル化に加え、多品種小ロットへの対応力などを理由に安定成長を遂げるラベルやパッケージ市場に着目。欧州市場においてデジタル印刷分野の加工機などで実績を持つMGIに対し、14年から資本・業務提携を行った。
MGIは1982年設立のデジタル印刷・加工関連の機器・システムメーカー。企業規模は、従業員数211人(連結)、売上高は3435万ユーロ(約42億円・14年度)。同社が販売展開する製品としては、B2サイズの印刷物にニスコーティングを施すUVインクジェット方式のスポットニスコーター「JETvarnish 3D」や、同機種専用の箔押し・エンボス加工システム「iFOIL」などがある。
コニカミノルタは今回の契約で、MGIに対する既存出資分(10%)に加え、新たに株式の30.5%を追加取得。これにより、40.5%を保有するに至った。
コニカミノルタの説明によると、MGIとのパートナー関係を構築することで、印刷産業界内における製品・技術サービスに関連した提供価値を向上。事業拡大の実現を目指すとしている。その中で、デジタル印刷の普及が進むラベル・パッケージ分野への展開に際しては、コニカミノルタのデジタル印刷技術とMGIの高付加価値デジタル加工ソリューションを併せて提供することで、より細やかな市場ニーズに対応する方針。
(2016年4月15日号掲載)