東京都正札シール印刷協同組合(田中浩一理事長)と東京都ラベル印刷協同組合(平山良一理事長)は1月15日、台東区の上野精養軒で「平成28年新春賀詞交歓会」を合同開催。両組合員や会友、協賛会員ら約200人が出席した。
冒頭、司会者による開式の辞に次いで両理事長が登壇。主催協組を代表して田中理事長があいさつした。
「とても穏やかな正月三が日の東京の気候とは打って変わって、世界情勢や日本経済は新年早々騒がしい。今年は、森の中を上へ下へ行き来する猿のごとく、良いことも悪いことも起きうる波乱の一年になるかも知れない。地に足のついた事業を遂行し、厳しくとも前進しなくてはならない。こんなときこそ一度深呼吸して、自社を見直してみることを提案したい」
「われわれ製造業にとって『工場は宝の山』。印刷機に加工機、原反のある当たり前の風景もあらためて眺めることで、新しいものづくりの着想を得る契機となるのでは。組合員、会友、協賛会が知恵を出し合い、一丸となって〝シール・ラベル業界ここにあり〟という新しい『宝』を社会に提示していきたい」
続いて来賓から、大内昭彦協賛会会長が祝辞を述べた。その中で同氏は、緩やかな景気回復を告げる報道に対して「実感は乏しい」とし、中国経済の下振れや中東の地政学リスク、世界同時株安などを挙げ「不透明感、不確実性を伴う幕開けだ」と警戒。
その上で変化はチャンスと提起して同氏は「環境の変化に負けない速度で自らを変革し、先読みしたニーズを製品やサービスに変換していけるかが重要。協賛会各社も製品力やサービス力のレベルをさらに磨き、お役立ていただけるよう努力を重ねていく」と述べた。
その後、ラベル協組の渡邉正一顧問が乾杯を発声。歓談後の中締めには、全日本シール印刷協同組合連合会の小宮山光男前会長があいさつに立った。
「世界ラベルコンテストの舞台に約10年携わり、突出した日本のレタープレス技術に触れて、先達が創り上げた文化こそ日本の強さだと実感してきた。それでも、これからはデジタルの時代が到来する。そのときわれわれはどう対応するのか。来る未来へ互いに手を取り合い、これからさらに躍進していく必要がある」と一同にエールを送った。
(2016年2月1日号掲載)