▼力が幅を利かせる国際政治が横行する波乱の中で2026年は幕を開けた。「G2」の一角、アメリカは武力行使を前提とした現状変更を辞さず、ベネズエラの“次”の標的も示唆する。一方中国は、わが国への制裁としてレアアース(希土類)の輸出規制を発表。外交の交渉カードとしてパワーゲームを仕掛けてくる
▼麻薬犯罪から自国を守る、軍事利用を懸念した自衛措置と両国は自らの正義を主張。その先には石油やレアアースなど天然資源の保有欲、それを制し優位なポジションを確保したい支配欲が透ける。そんな中12日、南鳥島沖のレアアースを含む泥の試掘へわが国の地球深部探査船「ちきゅう」が出航した
▼わずか1隻で水域に向かう映像に派手さはなし。しかし足元の局面において、国家の威信と未来への期待がかかる。埋設量と質は十分とみるも、同船のミッションはあくまで調査。商用化にはハードルが山積する。それでもハイテク製品の製造に不可欠なレアアースの供給停止は、産業の息の根が止まりかねないリスク。国産のレアアース調達は悲願だ
▼剥離紙・フィルムの水平リサイクルにインキを脱墨して基材を再利用する施策、廃棄されてきた難処理古紙を再資源化する新たな試み。本紙新年号に続き今号も持続可能な社会に追従していく、印刷産業とラベル業界発の挑戦を報じている
▼いずれも環境負荷低減に向けたミッションだ。同時に輸入が滞り調達が困難になった場面において、再資源化へのスキーム確立は安定供給と持続的な製造を堅守。天然資源を切り札にしたパワーゲームに屈しないための生命線ともなり得る。6000mの海底を掘り起こす世界初の試みが始まる中、印刷産業は。先述の資源循環に資する実践と同時に、次なる新たな再資源化対象を求め、足下に眠る地下鉱脈や都市鉱山の掘り起こしが求められる。
(2026年1月15日号掲載)





