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ホームラベル新聞ハイ・アングル 2015年...

ハイ・アングル 2015年7月1日号

先日ある文房具メーカーでの話。登録商標が普通名詞化する程のシェアを持ち、粘着技術の横展開で湿布薬を販売する。しかしそこに待つのは強力な競合。さりとて近年、販売量が急増中と聞く。ドラッグストアにそのパッケージを見た記憶はないが。そう思いながらも相づちを打ち、ペンを走らせる▼要因は、旅行案内とその類。主役は訪日外国人と話は続く。ツーリスト向けに配布される冊子に紹介された影響だ。単一民族の店頭商品は読めない言葉だらけで英語表記も乏しい。これは何か・これとこれの違いは何か・お土産に今何を買うべきか。冒頭の湿布薬、どうやら隣国ツアー客御用達の土産リストに掲載されたことで、競合をごぼう抜きしえびす顔だ▼では表示ラベルを多言語対応してみては。POPの面積拡大に積層化、消費量が増え悪くない話だ。一方でこんな事例も。メジャーブランドのヘアケア製品。ボトルもラベル意匠も日本仕様とまったく同じ、表示を他国の言語で発売した。それでも結局手が伸びたのは日本製だった▼中身も量も同一で、むしろ割高だ。日本製へ裏の表示部分に他国仕様のラベルを上貼りするも、どうやら帰国後それを剥がすのだという。土産にするにも何するにも、とりあえず「メード・イン・ジャパンの証は強い」。かくしてその商品には、剥がすことを前提に再剥離ラベルが一時的に伸びたという話だ▼多言語表示への良案も求めたいが、ローカライズしない場合も時には喜ばれ、そんな局地戦を飛び越し店頭に至る前に勝負が決する空中戦も始まっている——。セールスプロモーションに深く携わるわれわれには、印刷技術以外の戦術も求められよう。印刷会社と顧客の二人三脚、5年後7月の東京で派手にゴールを決めるべくどんなロードマップを描くのか。例年にも増して補習が山積みの夏が到来した。

 
 
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