▼1867年の今日、パリ万国博覧会が幕を開けた。51年に英国ロンドンで誕生した万博には当時、約1000万人が来場した。日本が万博に初めて参加したのは、このパリ万博。今から157年前の話だ
▼当時わが国はまだ江戸時代。幕府のほかに薩摩藩、佐賀藩がそれぞれ個別に出展を果たす。同年265年にわたる江戸時代が終わりを告げるが、当地では浮世絵に陶磁器、精巧な工芸品とわが国の文化や風俗が西欧の関心を大いに集めた。「ジャポニスム(日本様式)」の契機になったといわれている
▼その国際博覧会が、今月13日から半年間、大阪を舞台に開幕する。一刻の猶予もない会場の建設状況に登録が煩雑な前売券の購入方法と相変わらずの“日本様式”にやきもきするも、大阪・関西万博の幕開けを期待とともに待ちたい。ここにはシール・ラベル印刷業界からも企業が参画する
▼久保井インキは、大阪ヘルスケアパビリオンに期間限定出展。得意とする香り印刷を進化、香りの持つ「プルースト効果」に着目し、大学ベンチャーと人の認知機能や健康増進によりそう施策に挑む。OSPグループは、バーコード用ラベルとプリンタを提供して場内物流を支援。RFIDタグなどの協賛以外にも「混載配送」「納期時限調整」「オフピーク時間帯の配送」を実践して混雑緩和に臨む
▼国際博覧会条約によると「公衆の教育を主たる目的とする催しで、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用できる手段、または活動において達成された進歩あるいは将来展望を示すもの」が万博だ。ディープテックに生成AIビジネスと、テクノロジーはより高度化・高速化・複雑化。倫理観が追いつかないそんな時代だからこそ、万博に期待したい。世界の英知が集う大阪からどんなネオ・ジャポニスムが生まれるか。人類の進歩と調和の「その先」の景色が見たい。
(2025年4月1日号掲載)





