▼前号で報じた通り、大手コンビニチェーンのミニストップで一部店舗が店内調理の商品に消費期限をラベル偽装。その後の調査で、不正を行っていた店舗数がさらに増え25店舗になったことが明らかにされた。同社はただちに全店舗での店内調理を中止。その結果、既存店1店1日あたりの店内調理商品に関する8月の売上高は前年同月比9.0%減に。食の“安全・信頼”を失墜させた反動は大きく、付随して関連ラベルの使用量減少も懸念される
▼農水省は輸出向け食品の原材料表示に関して多言語化を促す方針を明らかにした。日本の食文化に触れた訪日外国人が帰国後、表示内容を正確に理解することで、日本産加工食品の購入を後押しするのがねらい。「モデル立証事業」の実現に向け、来年度予算の概算要求に盛り込んだ。担当者は「事業化前の段階」としたうえで「効果が立証できれば、メーカーに食品表示の多言語化を促進し、日本製食品の輸出増加と需要拡大につながる」と語る。付随して関連ラベルの使用量や面積の拡大が期待される
▼農水省の方針にはさまざまな意見が挙がる。中には「スマホをかざすだけで翻訳は可能。税金の無駄遣い」との声も。その考えは理解できる。しかし本紙記者が海外、特にアジア圏の現地取材で得た情報によると「日本産の商品は“安心・信頼”」として人気。事実、店舗に陳列される日本産の食品などには現地言語のラベルを貼付するとともに、日本語表示のラベルなどを「あえて見せる」場合も少なくない
▼ただしそれが効果的なのは、食品をはじめ日本で生産された商品の“安心・信頼”が大前提。それを裏切るラベルの偽装などあってはならない。ラベル需要を維持・拡大するため、偽装を防ぐ機能の開発と提案を推進しつつ、業界がラベルの不正利用に反対する意見を幅広く発信する必要があると思われる。
(2025年9月15日号掲載)





