ラベル印刷関連の上場企業が相次いで2015年3月期決算を発表した。各社が主力とする国内市場では、消費増税前の駆け込み需要からの反動減が影響。過去最高を含む増収増益が相次いだ前期との比較では減収や最終減益となる企業が多く、伸長にやや鈍化の傾向がみられた。
フジシールインターナショナルの連結売上高は前期比8・3%増の1310億800万円、営業利益は同0・6%減の95億4600万円、経常利益は同0・1%増の100億5400万円、純利益は同17・1%減の44億8600万円となった。売上高で過去最高を更新した一方、12年に買収したパゴ(スイス)の生産改革が遅れたほか、ASEAN地域での先行投資などが響き営業減益に。スイスおよびドイツでパゴの粘着ラベル生産拠点を再編することに伴って特別損失を計上した結果、最終減益となった。
連結売上高の6割弱を占める国内市場は同5・2%増の747億7700万円。粘着ラベルが同2・0%増(98億9200万円)と堅調だったほか、同18・4%増のソフトパウチ(69億1700万円)、同17・1%増の機械(72億2500万円)がけん引した。主力のシュリンクラベルは同0・5%の減収(401億9600万円)だった。
サトーホールディングスの連結売上高は同3・2%増の998億3100万円、営業利益は同10・1%増の74億4400万円、経常利益は同5・6%増の74億8400万円で、いずれも2期連続して過去最高を更新した。法人税率の変更に伴って繰延税金資産を取り崩したことなどから、純利益は同12・4%減の37億6300万円だった。
連結売上高の7割弱を占める国内市場は同2・5%減の666億7400万円。プリンタなどのメカトロ製品が製造業向けなどで好調に推移し前年度実績を上回ったものの、ラベルなどのサプライ製品が駆け込み需要からの反動減などで伸び悩んだ。一方で粗利率が改善し、営業利益は同3・7%増(530億300万円)となった。
高速の連結売上高は同0・8%減の717億8200万円、営業利益は同13・0%減の26億3800万円、経常利益は同13・2%減の28億400万円、純利益は同30・7%減の17億6400万円。包装機やパレットといった「機械・設備資材・消耗材」や、茶袋などの「茶包装関連資材」が振るわず、売上高・利益とも過去最高だった前期に比べ減収減益となった。主力である食品容器や、ラップなどのフィルム類は好調だったほか、「紙製品・ラベル」の売上高も同4・1%増(89億6200万円)と伸長した。
前期に6期ぶりの増収を果たした野崎印刷紙業の連結売上高は同7・0%減の165億4500万円、営業利益は同75・6%減の1億500万円、経常利益は同77・1%減の9500万円、純利益は同23・5%減の1億6300万円となった。事業の4部門中、シール・ラベルを含む「情報機器およびサプライ品」部門は増税特需からの反動が大きく、売上高は同11・0%減(43億7200万円)と最大の減少幅を示した。
(2015年5月15日号掲載)