浜松ホトニクスはこのほど、半透明・透明フィルムや金属箔など、各種素材の最小50μmまでの光学式ピンホール検査ユニット「C12760」を4月21日から発売する、と発表した。
同検査ユニットは、国内の樹脂フィルムメーカーや液晶メーカー、製造装置メーカーなどの生産ラインに後付けが可能で、省スペース対応と安価が特長となっている機材。同社では、発売と同時に、同社デモンストレーションルームにおいて、顧客持ち込みサンプル評価も開始する。
同機は、半透明・透明フィルムや金属箔などの生産時に発生する50μm径程度の微小な穴(ピンホール)の有無をインラインで検出する検査ユニット。光検出方式による非接触検査のため、液体によるストレスや電界、磁場、電解液など、特性環境にサンプルをさらすことなくピンホール検査が可能となっている。
光源ユニットには、半導体レーザーを採用し、線状の焦点をつくるシリンドリカル(円柱状)レンズで照度が均一な200μm幅のライン平行光を出射。従来のレーザーでスキャン(走査)する方式に比べ、毎分600mと30倍以上高速なためインライン検査に最適となっている。
検出ユニットには、光半導体素子のフォトダイオードアレイを採用することで、省スペースで安価を実現。また、光源ユニットと検出ユニットにコントローラーを内蔵しているため、PLC(シーケンサー)に直接接続が可能で、稼働中の生産設備にも後付けしやすくしている。さらに、ワーク幅に応じて生産ラインに複数台並べることで拡張が可能。スマートフォン用液晶ガラスに用いる各種機能性フィルムの欠陥検査はもとより、リチウムイオン電池セパレーターに用いる多孔質な不織布(ふしょくふ)、孔径をコントロールした高捕集率・高流量フィルター膜、食品の酸化防止のために多孔質にした包装用ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など、各種フィルターやメンブレン(膜)の検査に最適となっている。
同製品は、検出ユニットと光源ユニットで価格は54万円(税込み)。同社では、1年目年間5,000万円、3年後年2億円の販売金額を目標にしている。