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ハイ・アングル(2022年4月1日号掲載)

▼卒業・入学・転勤などを機に新生活を迎える人も多いだろう。コロナ禍の影響で2020年からの引っ越し需要が落ち込んでいたが、今年の春は活況という。不動産会社によれば、賃貸物件の契約期間は2年がほとんど。20年3月は、感染者がまん延し始めたころで、引っ越しの予定をキャンセルした世帯が多かったようだ。あのころから2年が経過し、満を持して新生活ならではの特需が戻ってきた
 
▼引っ越しで活躍するのは布粘着テープ。段ボールを梱包するのに、開封後すぐ使うもの・割れもの・それら以外など色分けできる。加えて搬出された段ボールが、新居のどの部屋へと行き先を書き示せるラベルも重宝するアイテムだ。また家具の脚裏には、フローリングとの摩擦を減らす素材で、引きずっても動かしやすい“すべるシール”を貼付。さらにゴムパッキンの汚れ防止にはマスキングテープと、SNSでは新生活の準備に貼る力が話題に上がる
 
▼新生活への準備に加えて、消費行動も変化をもたらすのが食品や飲料、紙オムツといった日用品が中心の価格改定。生活必需品への負担が増えるとあって、サラリーマンの昼食代や一服の缶コーヒー1本さえセーブしなければとの声も。こうしてみると、ネガティブ要素が先行する春の訪れ。しかし商品の価格が変更ともなれば、中身の少量化、性能の充実化と合わせラベル・パッケージの改変も期待できよう
 
▼ベビー用品を手がける大手ブランドオーナーでは、スキンケア・シャンプー類の成分を見直すとともに、パウチ容器に加えPOPラベルも環境配慮型素材へ。消費者にとって商品を見極める上でブランドの発信とリニューアルの特徴を訴求する必要性を感じ“なくす”ではなく〝おきかえる〟を選択したという。真に必要なものだと理解を得れば、ラベルは新たな姿で契約延長の新生活が待っている。
 
(2022年4月1日号掲載)

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