▼気温の乱高下に天候不順が続く中、新型コロナウイルスの感染者が減少傾向に。ワクチン接種が奏功したのか、ウイルス自体の微毒化・感染力の低下か、はたまたアジア人にみられるというファクターXの影響か。原因究明はしかるべき機関からの発表が待たれるが、先んじて自社内で、あるいは自身でコロナ禍の変化と行動に対して顧みる機会を持ちたい
▼社内で感染者が発生した際の報告・連絡・相談と外部への対応は適切だったか、急な製造・営業計画の変化に追従できていたか、課題が残ったとすれば以降の対策は。未曾有の事態にこそ法人・個人の本質が問われる。終息すれば元通りではなく、コロナ禍の現段階までで得られた反省と教訓を生かして来るニューノーマルへ備えるには。パンデミック以前から議論されていたラベル業界を取り巻くトレンドに対し、どのように向き合うか
▼9月に米国で3年ぶりとなるラベル専門イベントが実地開催された。参加者からは「正常化へ向けた大きな一歩」とのコメントが寄せられ、展示会とコンファレンスで業界の将来を予測。インダストリー4.0や持続可能性、軟包装分野への進出などのトピックが議題に上がり、ラベル業界の再始動を予感させる内容となった。国内でもこのまま感染状況が落ち着けば、再開が予定されているGo Toキャンペーンのほか、SDGs対応、環境負荷低減への施策、スマートシティ構想などへのかじ取りが本格化するはず。新内閣も発足し新たなスタートを切る中で、ラベル需要の創出にも期待がかかる
▼昨今の寒暖差と同様にラベル業界を取り巻くトレンドの変遷も目まぐるしいが、周囲の環境に翻弄されることなく追従し、常に良質な製品を提供していくことがラベル印刷会社の本懐。秋の夜長、コロナ禍のこれまでを振り返り、足元の情勢と業界展望へ思いを馳せる。
(2021年10月15日号掲載)