リンテックはこのほど、プラスチック成形品から発生するアウトガスによるラベルの浮きや膨れの課題をクリアした粘着フィルムを開発。「VENTI-LABEL(ベンチラベル)」として、8月1日から全国販売を開始した。
アウトガスによる気泡が発生した状態。特に熱のかかるポリカーボネートやポリスチレン、ABSなどに粘着フィルムを貼った際に起きやすい現象
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ガス透過性に優れた製品設計を採用しているため、ラベルの浮きや膨れを抑制する |
一般的なフィルムベースのラベルをプラスチック成形品に貼ると、時間の経過とともにプラスチックから発生するアウトガスにより、浮きや膨れが生じることがある。従来は、ラベルの裏側に紙ベースのラベル素材をもう1枚貼り合わせ、浮きや膨れを目立たなくする方法や、事前にプラスチック成形品に熱処理を施し、ガスを放出させる方法、比較的通気性のある合成紙ベースのラベル素材を用いる方法などが採用されてきた。しかし、これらの方法では手間がかかることや、ラベル表面にラミネート加工ができないなどのデメリットがあった。 今回、このような課題を解決したのが、英語の"ventilation(通気)"の一部を冠した「VENTI-LABEL」。ベースフィルムと粘着剤にガス透過性を持たせることで、フィルムの意匠性を保ちつつ、アウトガスの課題をクリアした新設計のラベル素材となっている。 ラベル表面からだけではなく、側面からもガスを透過するため、印刷面にラミネート加工を施すことも可能。 もちろん、印刷・印字適性や耐久性にも優れ、アダプター、充電器、メモリーカードなどの銘板・表示用ラベル、化粧品、日用品をはじめとする各種商品の表示用ラベルなど、幅広い用途に使えるものとなっている。 同ラベルの表面基材は、「特殊ポリプロピレン系フィルム」を採用。粘着剤は、特殊アクリル系で剥離紙は青色グラシンとなっている。