アイグラフィックス株式会社(東京都墨田区錦糸、藤村博一社長、TEL03-3625-6441)はこのほど、UV硬化システム「e-cure」のLED-UVタイプ「Fシリーズ」に、ラベル向けの新製品を開発した。現在、精力的なテストをこなしており、近日中の本格販売を目指す。
同シリーズは、水冷式の採用により、ピーク照度がハイパワーで1平方センチ当たり25ワット、スタンダードで同15ワットといった高照度を実現。積算光量に関しても、同200ミリジュールに達するなど、安定したインキ硬化を可能にする。そのため、オフセット枚葉機向けとして、高評価を得ている。
ラベル市場では近年の傾向として、環境負荷軽減への対応策やエネルギーコスト削減といった観点から、LED-UVシステムに対する関心が高まっている。このような動向をにらみ、同社では従来のFシリーズの機能を維持しつつ、ラベル向けとして改良。新製品の開発へと至った。
水冷式のメリットとして、同社では「チラーによる冷却方法のため、排気ファンの動作音を抑制するほか、排熱ダクトがなくラベル印刷機のような小型機に適している。加えて、ファンへのインキミストや紙粉の吸引がなく、システムが長持ちする」と説明。ただし、チラーを設置する必要があり、そのスペース確保が求められるほか、空冷式と比べて電力消費量がかかることから「実稼働率を考慮し、電力や廃熱の状況をシミュレーションする必要がある」としている。
(2018年11月1日号掲載)