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エイブリィ・デニソン・ジャパン・マテリアルズ、ログをNFCでスマホに 時間と温度をラベルが記憶

エイブリィ・デニソン・ジャパン・マテリアルズ(株)(東京都港区海岸、キョン・スー・チャン社長)はこのほど、貼付した対象の〝時間と温度を記録する〟インテリジェントラベル「TT Sensor Plus2」を上市した。蓄積したデータは、ラベル内のNFC(Near Field Communication・近距離無線通信)チップに保存され、いつでもログを閲覧可能。適切な管理下で輸送、保管されていたかを知ることができるというもの。医薬品や食品関連の管理などに活用が見込まれる。

米国エイブリィデニソンは、世界最大のラベル印刷用粘着紙メーカーの側面を持つ傍ら、約30年前からRFID事業にも着手。RFIDインレイの製造に関する特許を数多く保有するなど、現在世界数十カ国でRFIDソリューションを提供しているグローバルベンダーとしての一面も持つ。
TT Sensor Plus2はサイズが68×26ミリで、16年に発表したクレジットカードサイズの前モデルに比べて3分の1程度の大きさ。小型ラベルの保護層の中にNFCチップに加えセンサー機能とバッテリーを内蔵。正確な温度と時間のログ管理が行え、NFCによるデータ通信で情報を取得できる。
有効な利用手段としては、サプライチェーン全体で品質を保証する用途。出荷時にコンテナやパッケージに貼付することで、ログデータから過酷な環境下に放置され、内容物が変質する工程がなかったかといった温度変化を数字で実証できる。同様に、ログの履歴をたどることでいつ・どこで不具合が生じているかを検知できることから、輸送、保管といったサプライチェーン上の問題箇所を発見し改善を図る手段としても有効だ。
温度監視範囲はマイナス20℃から70℃、精度は0〜40℃で±0.3℃(そのほかの温度帯は±0.5℃)。ロギング間隔は1分から255分まで設定でき、3ボルトのリチウム電池(交換不可)で最大15万回の記録を行う。動作寿命は最大3年を想定。NFCチップに保存されたログデータは、専用のリーダーまたはスマートフォンで読み込み、クラウドにアップロードすることができる。
また、同ラベル専用のモバイルアプリも用意。これを起動してデータを読み込むことで、荷受け側は温度情報のログを確認できる。また専用のソフトウエアとリーダーを使用して、荷主側が許容する温度の上限と下限の設定も行える。
同ラベルはFDA CFR21Part11に準拠しており、用途として医薬業界での使用が検討される。ほかにも食品関連や化学薬品など温度変化に敏感な対象の管理を想定する。
問い合わせは同社RFIDビジネスディベロップメント(TEL03-6432-4154)まで。

 
 
(2018年1月15日号掲載)

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