太成二葉産業(株)(大阪市東成区深江北、荻野隆社長、TEL06-6976-1121)はこのほど、香水などをラベル内に閉じ込めることで香りを長期間保持する香料ラベル「コスメルシール」を開発。化粧品やボディーケア、ハウスホールド分野に訴求している。
同社はこれまで、印刷を通じてブランドオーナーのセールスプロモーションやプロモーションツールの制作事業を展開。化粧品や贈答菓子、薬品などの分野で高い実績を挙げている。そのような事業活動の中で〝持続する香りのサンプル〟に着目。2年前から、紙製シート「コスメルパック」を販売展開している。コスメルシールは、同製品を粘着製品化したもので、既存製品よりも安価でユーザーに提供できるのが特徴。
コスメルシールは、ニールピーターのフレキソをベースとしたコンビネーション機「FA-4」を活用して製造。同機種には、香水を噴射する独自機構をはじめ、粘着剤塗工ユニットなど、ラベルの高付加価値化を実現する機能が搭載されている。透明PET面に香水を一定量吹き付けたのち、フィルムの縁に沿って粘着剤を塗工し、剥離フィルムと貼り合わせることで、ラベル内に封入するといった工程を経る。なお、フィルムにはブランド名や「めくると香る」などの使用方法なども印刷可能で、香りの持続性はもとより、訴求効果も高められる。
同社によると、従来の香料ラベルは、香料をマイクロカプセルに閉じ込め、インキに混合して印刷する方法が一般的。香りを発生させる際は、擦るなどの行為によりマイクロカプセルを破壊して、中身の香りを放出する。しかし、ブランドオーナーから「香りが実際の商品と異なる」や「香りが長持ちしない」といった要望が挙がっていた。コスメルシールは、これらのニーズに対応する。
担当者は「外部のテストでは、未開封の状態で香りが3カ月間保持したとの結果が得られている。今後、日用品などを販売するドラッグストアでのテスターをはじめ、DMによるセールス展開を図る化粧品やボディーケア分野に向けてコスメルシールを提案していきたい」とコメントしている。
〈写真〉香水などをラベルと剥離フィルムの間に直接封入(写真赤点線内)。長期間の香りを実現する
(2017年8月15日号掲載)