トッパンフォームズでは現在、「バッテリーレス電子ペーパーラベル」を訴求。自動車メーカーのホンダ埼玉製作所寄居完成車工場(埼玉県大里郡寄居町)でこのほど、工程管理用途として本格採用されたことを発表した。
同製品は、バッテリーを必要とせず、HF帯の無線通信で表示内容の書き換えを可能にするコントローラーを採用。表示部が0.4ミリ厚といった薄型化を実現しているのが特徴。
同社の説明によると、通信距離は最大200ミリメートル(金属が貼付対象の場合、2分の1〜4分の1に短縮)となっており、敷地面積の広い工場でも適性がある。
電子ペーパーラベルは、寄居完成車工場での自動車組み立てラインを移動する金属製の台車に、個体識別と工程管理用途として採用。台車等へ貼付したまま運用可能であり、貼り替え作業の削減のみならず、貼り替えミスの防止に貢献する。さらに、貼った状態のまま表示内容を変更できるため、ラベルに関連した消耗品の削減を実現する。
寄居完成車工場は、年間25万台の生産能力を持つホンダのマザー工場。小川エンジン工場(同県比企郡小川町)で生産されたエンジンの供給を受け、車体のプレス加工から完成車検査、出荷までを手がけている。
ホンダはこれまで、小川エンジン工場で部品ピッキングのための指示表示に電子ペーパーレスラベルを採用した経緯があり、導入後3年以上が経過しても、電池交換を必要とせず稼働している実績から、完成車工場への本格導入に至った。
トッパンフォームズでは、他の工場・ラインへの採用に向けて電子ペーパーラベルをPRするほか、物流・流通、通販業界など物品管理用途としての提案を推進。18年度に5億円の販売を見込んでいる。
(2016年8月1日号掲載)