システム開発メーカーの(株)イーズ(東京都中央区新川、平澤寛社長、TEL03-3660-6335)はこのほど、検査・検証用カメラを搭載した垂直多関節型ロボットアームで、箱の異なる面に正確なラベルの貼付を実現するシステムを開発した。
同社は、顧客の要望に応じて、検査・検証用カメラやラベルプリンタ、ラベラーなどを組み合わせることにより、最適なシステムを開発するビジネスを展開。医療・医薬分野で、高い実績を収めている。
同分野では、段ボール箱などの異なる2つの面に、同じ内容のラベルを貼り付けることが義務付けられている。これは、箱を積み上げた際、ラベルの貼られた面が隠れてしまい、視認できない可能性があるため。
医療・医薬関連メーカーでは、製品ごとに収納する箱のサイズが異なる場合が多く、ラベルの貼付作業は人の手に依存することが多い。また、生産効率の向上を目的に自動化を図った場合でも、2台のラベラーが必要となり、省スペースや設備投資コストなどが課題となっていた。
このようなニーズを反映して開発された同システムは、1台で箱の2面へラベルを貼付する。最大の特徴は、貼付対象となる箱のサイズが変化しても、ソフトへの数値入力操作により、アームが自在に稼働し、1台で正確にラベリングを実現する点。また、ラベルに記載する情報のひも付けも可能としている。
システムにおける一連の動作としては、2色発色のサーマルラベルプリンタでラベルを印字・出力。ロボットアームの先端に搭載した検査・検証用カメラで、ラベルの表示内容を検査した後、アームの貼付ハンドで吸着する。その際、汚れや内容の不備があったラベルは、異なる場所へ移動して廃棄。問題がなければ、そのまま箱へアームが動き、最初に上面、続いて側面といったそれぞれに貼り付ける。さらに、ラベルが剥がれないようにプッシャーでしっかり押さえ、一連のラベリング工程が完了する。
なお、プリンタから出力されたラベルの位置がずれていても、アームが補正して吸着し、正確に貼付することができる。
同社では「医療・医薬品分野に向けて訴求したい」と話している。
(2016年7月15日号掲載)