新年以降、何かと芸能界が騒がしい。特に、好感度女性タレントと、若者に人気の音楽バンドボーカルに関するスキャンダルは、週刊誌の厳しい追及もあり、いまだに沈静化することがない。一連の報道でカギとなっているのが、スマートフォンのアプリによる「LINE(ライン)」のメッセージ。当事者以外によって明らかにされたようだが、いささか〝行き過ぎ〟の感が無きにしもあらず。今後、個人単位でのセキュリティーに対する意識はさらに高まることだろう▼シンクタンクの分析によると、セキュリティー製品市場規模は年を追うごとに増加しており、2019年には8000億円を超すとしている。むろん対象によって技術方法は異なり、システムの脆弱性を突いたサイバー攻撃からデジタルデータ管理を防ぐ場合などは、莫大なコストを要するケースもある。しかし、低コストで効果的なセキュリティーを実現したいといったニーズがほとんどを占めるとのこと▼かつてブランド米の偽造問題に頭を悩ましていた新潟県では、セキュリティー技術を模索した。さまざまな技術が提案された中で、最終的に採用した手段は「ラベル」。市場に出回っていない特殊インキを調合し、消費者が触れるだけで真贋を把握できる技術が活用された。大がかりなシステムを活用してブランドを保証するのではコストに見合わず、かといって簡単に破られる技術では意味を成さない。まさにラベルの優れた特徴が認められたことになる▼セキュリティー市場の拡大によってラベルへの関心はさらに増すことが予想される。ラベル業界はニーズを反映し、技術力と効果を訴求すべきでは。「PRによってセキュリティー技術がコピーされる危険」を懸念する声もあるが、そんな〝ゲスの極み〟の行為を恐れず、ラベルの新たな需要開拓に努める必要がある。 |