ミラクル工業(株)(大阪市平野区加美南、森山泰之社長、TEL06-6793-0204)はこのほど、樹脂版による刻印と印刷技術の融合によってホログラム効果を実現する新技術を確立するとともに、同技術を活用した新型のセキュリティーラベル「DSL(Debossed Security Label)」を開発した。小ロット低コストでありながら、従来のホログラムと同じ効果が得られるのが特徴。同社では、ラベル業界をはじめ、ラベルユーザーへのPRを展開する方針。
ホログラムは、セキュリティー機能や高い意匠性が求められるラベルなどで採用されている。しかし、ホログラムパターンの形成には、専用の金属版を用いて基材に特殊な加工を施す工程のため、オリジナルパターンの基材をラベルにする場合、コストが割高になりがちであり、また製造ロット数も大きいといった課題があった。そのため、あらかじめ大量に製造されたホログラム基材をラベルに活用するケースが多い。
また近年では、疑似の陰影再現を実現した疑似ホログラム技術もあるが、基材表面に樹脂を塗工してホログラム効果を表現しているため、基材表面にラミネート加工を施した場合、ホロの効果が薄れてしまうといった課題があった。
これを受けて同社では、樹脂版を活用した新たな疑似ホログラムの製造技術を独自開発。金属版を使用しないため、オリジナルパターンであっても、小ロット・低コストで製造できるのが最大の特徴。また、従来の疑似ホログラムと違って樹脂加工を必要とせず、基材表面へのラミネート加工にも対応する。
同社では、DSLに関する今後のビジネス展開に関して、技術の特徴や機能をラベル市場に対してPRすることにより、同業者からの受注を目指す方針。
(2016年1月15日号掲載)