(株)倉本産業(東京都豊島区東池袋、倉本朝晴社長、TEL03-3989-6700)はこのほど、新開発の水活性アクリル系粘着剤を採用したゴルフクラブ用「グリップ固定用両面テープ」(特許出願中)を発表した。従来、グリップの装着には両面テープと有機溶剤を用いてきた。2月19日(金)から東京ビッグサイトで開催される「第50回ジャパンゴルフフェア2016」同社ブースで披露される。
今回の新製品は、水溶性ラベル製造に関する自社の基礎技術を応用したもの。
ゴルフクラブへのグリップの装着は、まずシャフト部にゴム系粘着剤を使用した両面テープを巻き、次にそこへ溶剤を塗布しグリップを挿入、一昼夜乾かして完成する。安全管理体制が整備されたメーカーの製造工場以外に個人が店舗でリシャフトを依頼した場合、有機溶剤の臭気を伴うクラブを持ち帰って一昼夜自宅で保管する必要がある。
同社はスポーツ用品メーカーの依頼を受け、約5年前から水活性粘着剤の開発に着手。十分な接着強度を発現する溶剤不使用の水活性接着剤の開発に成功したことで今回、これを用いた両面テープを製品化した。
装着手順は従来と同様、これまで塗布していた有機溶剤の代わりに水を用いることで、接着力が発現する。挿入時のすべりも溶剤使用時とほぼ変わらず、一昼夜乾燥後は従来品と同じ接着強度を実現。溶剤を使用しないグリップ装着は、国内で初の事例となるという。
同両面テープの接着強度やテープ幅など、カスタマイズは可能。今後は建築内装関連分野などを中心に、溶剤を塗布した両面テープが用いられるシーンでの置き換え需要を狙う方針だ。
(2016年1月15日号掲載)