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ハイ・アングル 2015年12月1日号

「一粒の米には百粒の汗がある」台湾に伝わる勤労と倹約を奨励する諺だ。過去にわが国の統治下にあり、また民間での交流が深いこともあってか、日本と台湾は共通の価値観を持つ。せわしないバイクや威勢の良い屋台販売業者、ひらがな表記の看板などに過去の日本を重ねたが、彼方にかすむ超高層の台北101や、街ゆく人々が持つ最新型のスマホを目にすると、ここが現代の異国であることを認識させられる▼台湾で複数のラベル印刷会社を取材した際、経営者からは日本とのつながりを強調する発言が目立った。玄関に日本製の平圧機を設置し「当社の歴史はこの1台から始まった」と説明文を記す企業もあった。また、ラベルのサンプルをずらりと並べ「どうですか。当社の印刷技術は日本に近づいていますか」とも尋ねられた▼重要なのは、そのラベルの印刷品質がすでに日本と同レベルにあること。中には、日本のブランドオーナーから直接受注して、日本向け商品のラベルを印刷しているケースも。彼らは技術面、営業面で日本のラベル市場を手本とし、謙虚に企業努力を積み重ねている。また、デジタル印刷への取り組みも精力的。すでにビジネスとして成り立っているケースが多い▼現地ラベル業界人と交流した際、強く感じたのは「業界全体が若く、活気に満ちている」こと。台湾のラベル市場における経営者の多くは40〜50代でベンチャー気質が高い。また、印刷会社は日本のような横のつながりが少なく、それぞれブランドオーナーと直接取引する。さらに、新市場への開拓も推進。大陸(台湾人は中国をそう表現する)や東南アジアなどの新興地域へ積極的に参入し、企業成長を遂げている。さて、彼らが手本とする日本のラベル業界はどうか。勤労精神のもと、先達が築いた技術に慢心せず、市場拡大を志しているだろうか。

 
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