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ハイ・アングル 2013年10月15日号

”してみたい”気持ちの先にラベル印刷の未来あり

 人間離れしたワザや奥の手のことをかつては「ウルトラC」と呼んだ。先日、ベルギーで行われた体操世界選手権。17歳の白井健三選手が「床」の演技で初成功させた技はF難度。この「後方伸身宙返り4回ひねり」は「シライ」と命名された。女子体操「床」には、なんとH難度があるという。体操の技の進化には目を見張るものがある▼成熟したと言われる印刷産業だが、この20年を見ても、ラベル印刷業界の資機材や技術は大きく進化している。20年前には凸版間欠機は国内市場に存在しなかった。製版もCTPどころか内製化している会社もわずか。業務面でもパソコンは存在したが、ネット環境はほぼ皆無だった▼今秋開催された印刷機材展では、さまざまな製品が披露された。デジタル機はハイエンドモデルからミドルクラス、入門機までさまざまな最新機が展示された。コンベンショナル機もデジタルに対抗し、ジョブチェンジ時間の短縮やショートパス、スキルレスなどをより推し進めた。また、のり面印刷やコールド箔、多層ラベルなどの加工技術により、付加価値を追求する展示も多く見られた。今はウルトラCを多くの選手がこなすように、ラベル印刷会社の多くがこれらを手にし始めた▼元祖ウルトラCといえば「月面宙返り」。これを編み出した塚原光男氏は技の開発について「他人ができないことをやってみたいという思いを実現させただけ」と振り返る。願望を実現する強い思いが新技を生み出した▼機材展後、資機材の導入を検討している方も多いと思う。最新の機材を入れても新たな技術や仕事を生み出さなければ宝の持ち腐れだ。逆に他人にできない仕事をすでに発見していて、新たな機材で実現可能なら、迷わず設備投資するべきだ。「してみたい」の先に世界に認められる高難度のワザがあり、ラベル印刷の未来がある。

 

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