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ハイ・アングル 2015年10月1日号

「飲料の容器をリユースするのは基本。びんは当然、PETボトルも使い回す」かつて欧州地域を取材した際、ある国のラベル業界人は、やや自慢げにそうコメントした。環境対策を突き詰めると、飲料ボトルはリサイクルよりもリユース。日本のような再資源化は逆にロスが大きい。必然的に共通ボトルとなるため、商品ブランドを表示する方法は、直接印刷から貼り剥がしが容易なラベルへと切り替わる。いずれグローバルスタンダードになるだろう、と持論を展開する彼の生まれは、もちろん〝環境先進国〟ドイツ▼その環境先進国の土台を揺るがす事態が発生した。フォルクスワーゲンが米国で販売するディーゼルエンジン車に違法ソフトを搭載。排ガス規制を不正にクリアしていたことが明るみとなった。不正の対象車は1100万台。これらの膨大なリコールのコストに加え、莫大な罰金も科せられる。なによりもドイツの環境先進国というブランドを地に貶めた損害は計り知れない▼IGAS2015とラベルエキスポヨーロッパ2015で、ラベルに関連する最新製品や技術が紹介された。特に環境対応の製品・ソリューションは国内外でも注目の的。国内展では、LED-UVシステムに新潮流。各メーカーの技術開発により、従来のUVインキも硬化するソリューションが提案された。海外展では、ライナーレスラベルを題材にした企画が初めて催された。いずれも日本がラベル製造技術で世界をリードしている▼環境対応製品は、ラベルを問わずすべての産業でビジネスのグローバル戦略における大きな武器となり得る。ただし、そのための技術は地に足の付いたものでなければならず、確立には多大な労力とコストを必要とする。日本の企業は〝技術立国〟の名のもと、な姿勢で日々の研究・開発に取り組むことが肝要だ。

 
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