王子ホールディングスはこのほど、マレーシアのラベル印刷会社であるHyper-Region Labels(HRL)と関連会社における発行済株式の60%を取得する契約の締結を発表した。
王子グループはこれまで「革新的価値創造企業の実現」を目的とした事業構造改革を推進。その中で、海外事業のさらなる拡大を柱の一つと位置付けている。特に経済成長の著しい東南アジア地域において、先行して展開していたパッケージング事業に加え、紙おむつ事業も開始している。さらに機能材事業に関しても、粘着ラベル分野のさらなる強化に向け、新製品の開発・拡販に加え、「川上」と「川下」ならびにその橋渡しとなる「川中」事業を含めた積極的な事業展開で、地域全体で事業を拡大する計画。
HRLはジョホール・バルに拠点を置くラベルや紙器、パンフレットなどの製造を手がけるコンバーター。設立は2003年6月で、従業員数141人、売上高は8億2000万円。偽造防止ラベル(封かんラベル)をはじめ高機能ラベルを製造し、日系企業やグローバルブランドの製品にも採用されている。
なお王子グループでは02年、タイのOJI LABEL(THAILAND)Ltd.で粘着紙の製造事業をスタートしており、今回のHRL株式所得によって、印刷分野までの事業領域を拡大する体制が構築されることとなる。
このような一連の事業展開により、海外粘着紙事業などの売上高に関して、15年度に200億円を、中長期計画としては500億円を目指す方針。
(2015年10月1日号掲載)