電子写真(EP)方式のデジタル印刷機を展開するオランダのザイコンは9月11日、日本市場向けの専用仕様で設計したデジタルラベル印刷機「Xeikon3020」の発売を発表した。印刷の幅と速度を抑えたエントリーモデルで、ラベル用途の既存機種「同3300」に比べて本体価格はおよそ半額に設定。基本構造が変わらないため導入後のアップグレードにも対応しており、来年にも納入を開始する。
Xeikon3020の発売は、同日に江東区有明の東京ビッグサイトで開幕した「IGAS2015」の会場で明らかにされた。同機種は既存モデルと同じ粉体トナー「QA-I」を採用したCMYKのフルカラー仕様で、印刷速度は毎分9.6メートル。用紙幅は200〜254ミリに対応し、日本のラベル業界で一般的な後加工設備に適合している。厚さ40〜450マイクロメートル、坪量40〜350gsmの多様な素材への印刷が可能で、上位機種と同様、熱に敏感なPEなどへの印刷に適した低温定着タイプの「ICEトナー」を選択することもできる。
色表現を安定化するインライン分光光度計を標準で搭載しているほか、オプションで5色目のユニットを増設可能。これにより、特色や高隠ぺいタイプの白、セキュリティー用途のクリアといった特殊トナーが使用できるようになる。
さらに用紙幅や印刷速度についても、それぞれ最大516ミリ、毎分19.2メートルまでのアップグレードが可能。印刷品質はそのままに初期投資を抑えられるエントリーモデルを提供し、将来的な改良の選択肢も用意することで、事業の進展に応じて生産能力を拡大していくというリスクの少ない導入計画を提案する。
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(2015年9月15日号掲載)