▼緊張感が継続する中東を背景に、国内経済は依然として厳しい事態に直面している。WHO(世界保健機関)によると、中東情勢の悪化に伴う経済損失は約47兆7000億円と予測。2000年以降の四半世紀でコロナ禍に継ぐ数値となることから、識者は「世界規模の災害同等」との見解を示す。しかもこの大災害は、今なお出口の見えないトンネルの中。経済損失に拡大の恐れが
▼帝国データバンクはこのほど、25年度の倒産件数を調査。前年度比3.5%増の1万425件となり、4年連続で前年度を上回った。倒産理由は販売不振が最も高く、また人材不足が441件と過去最多を大幅更新。しかも同調査は現状の中東情勢以前が対象であり、今後の見通しを「原油高騰のあおりを受け、経営基盤の安定性やコスト上昇への対応力、価格転嫁の可否などによって同業者間の優勝劣敗が一段と明確化。夏ごろから倒産が急増する」と警鐘を鳴らす
▼今号では10年前に発生した熊本地震を振り返り、災害に直面した企業と対応を図った九州協組の歴代理事長に取材を行った。その中で現理事長の池田龍一氏は、協同組合という組織の重要性に言及。企業にとって自然災害と異なる事業存続の課題に、深刻さを増す人材不足を挙げつつ「組合という組織を生かすことや青年部などの成長が課題の解決に資する存在となる」と強調した
▼目下の原油価格高騰や人材不足といった災害に直面するラベル印刷会社は今後、事業存続が最重視される。そのような中で同業者間での苛烈な生き残り競争に心血注ぐよりも、ラベル業界が一丸となり課題克服へ協力することが最適解では。東日本大震災しかり熊本地震しかり、災害からの復興で頼りになったのは、業界の仲間たちによる支援。今こそ業界の全国組織であるJFLPが強力なリーダーシップを発揮する段階にある。
(2026年5月1日号掲載)





