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ハイ・アングル 2015年9月1日号

「豊かな国」とは何か。一般的にはGDPや国富などで表現されるだろう。しかし、それを支えるのは生産者であり、また消費者でもある「国民の数」。大量にモノを生産しても、消費する人がいなければ無駄になってしまう。むろん海外輸出という方法もあるが、国内生産物がすべて海外輸送に適しているわけではない。輸送コストなどを鑑みれば、国内で消費される方がよい場合が多い。いわば豊かな国の象徴とは「国民の数」が根幹を成す▼ラベル協組主催の事業承継セミナーで驚愕の事実を知った。国内企業の多くが後継者不足に頭を悩ませており、高齢の経営者が引退できない事態に陥っている。経営者の平均引退年齢が上昇しており、中規模企業で67歳、小規模で70歳に。いわば日本の経営者の5割以上が60歳以上であり、この状況は今後10年間、解消されることなく継続するとのこと▼中小企業の事業継承は20年前まで9割が親族承継だった。子が親の事業を継ぐことで企業は歴史を積み重ね、蓄積した技術・ノウハウも後世につなげることができた。しかし近年は、子どもが事業を承継しないケースが増加。それに付随して後継者不足が顕在化し、年間3万社が廃業する状況に。驚きなのは、業績が悪くないにもかかわらず、後継者不在により廃業する企業が1割も存在する現実。これらの数値は、いずれもラベル業界にとって他人事ではない▼ラベル業界発展のカギは、次世代を担う人材の数にかかっている。ラベル事業に携わる人が多ければ、それだけ新ビジネスが生まれるチャンスが広がり、必然的に関連資機材の開発・需要拡大へとつながる。さらに、業界がこれまで培った技術・ノウハウも伝承できる。翻ってわれわれ業界では、次世代を育成できる環境が整っているか。業界全体で取り組まなければならないほど、事態は厳しい状況にある。

 
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