▼日本列島の南で4つの台風が同時に発生。11月統計史上初となる異常気象への警戒が続く。昨月ハリケーンに見舞われたアメリカでは、大統領選が決着し、第47代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が選出された。移民政策やエネルギー問題、ウクライナ侵攻に中東情勢などへ対していかなるメッセージが発せられるのか。全世界が注目している
▼猛暑から一転、冬の足音が大きくなり師走が間近に。年末商戦が近づくものの、物価高の影響で購買意欲が冷え込むなど、楽観的な声は息をひそめる。受注減に際し、顧客からの要望を受けるだけではなく、販促支援やトレーサビリティー付与など機能性ラベルの訴求といった受注型産業から”提案型産業へ”という声は、ラベル業界内で日増しに高まっている
▼「ラベルフォーラムジャパン2024」や23年度下半期の景況感アンケートでも、ラベル印刷会社の未来を再考せんとする意見が目立った。展示会で多くの面積を占めたデジタル印刷機などを駆使し、受注範囲と対応アプリケーションの拡大を図る事例も。景況感のアンケート結果では、印刷機に対応する後加工機も過去に例を見ないほどの需要増が確認された。待ったなしの転換期に面し、設備投資や社内改革が進行。足元を固めるため「まずは5S活動から」「経営理念の浸透など社員が見据える方向の統一を」などの施策も聞こえる
▼天災に加え、新大統領が与えるインパクトも鑑みた地政学リスクなど、日本をめぐる状況は芳しくない。先行き不透明な大きなうねりの中で、ラベル業界が果たす役割とは。選挙戦のPRや復興支援商品に関わるシール・ラベル、ステッカーは、面積は小さくとも社会へ波及する効果は小さくない。ラベル業界自身も、蝶の羽ばたきが竜巻を起こすように、小さな変化から大きな変革へと臨む契機を迎えている。
(2024年11月15日号掲載)