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ハイ・アングル 2015年1月15日号

 

フランスの週刊誌がイスラム過激組織に襲撃される事件が発生。事態は、テロ行為への抗議と「表現の自由」を主張する大規模デモへと至った。この週刊誌は、イスラム教信者を挑発するような風刺画を掲載しており、事件発生の原因は存在していた。グローバル化・情報化が進む現代社会では、民族・宗教・政治の異なる多くの人たちの目にさらされる。この風刺画は〝エスプリの効いたジョーク〟という表現の自由の範ちゅうだったのか。意図は正確に伝達されていたのか▼大阪や京都で、道路標識にシールが貼られる事件が発生。標識に人やハート、魚の骨をイメージさせるシールを貼ることで〝ユニークなデザイン〟へと改ざんされており、警察は道路交通法違反などの容疑で捜査している。関与したフランス人は「表現の自由に基づく芸術作品」とコメントしているようだが、日本では犯罪行為である▼中国市場で印刷機を納めていたメーカー関係者の話を思い出す。中国で発刊されている印刷専門誌に、同社のラベル印刷機が写真入りで広告掲載されているのに気づいた関係者。驚いたことに、広告主はまったく別の印刷機メーカー。なんと印刷機の銘板部分が写真内で改ざんされていた。すぐに雑誌社へクレームを出したが、誠意ある返答は最後までなかったという。同国に表現の自由があるかはさておき、意図的な情報の歪曲は許されない▼メディアに携わる立場として、情報の正確な伝達と公平性に最大限の注意を払うものだ。本紙も創刊以来、ラベル市場の中にあって常にこれを念頭に置き、日々の取材・編集活動に従事してきた自負がある。メディアのう「表現の自由」は民主主義の根幹ではあるものの、そこに情報発信者の公平な視点がなければ、単なる中傷の類いへと成り下がる。新年の始めに、それを改めて考えさせられた。
 
 

 

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