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ハイ・アングル(2023年7月1日号掲載)

▼23年も残り半分となった。例年より平均気温が高く猛暑が予想される今夏。あの体力をすり減らす日々を思うと閉口するが、農作物の生育を阻害するカンカン照りも長雨も困りもの。豊作と不作を分けラベルの需要を左右する週間天気が、農業従事者よろしく気になり始める

 
▼それより深刻なのは、中面の調査結果。22年度下期の印刷用粘着紙出荷量は、3半期連続の前年度比減となった。何より同4.4%減の数字は、過去記事をひっくり返しても出会わない衝撃。08年のリーマン・ショック後に次ぐワースト2位の下落といえば、どんな酷暑でも身震いが止まない
 
▼既存の主力商品をきちんと値上げすることが、現下ブランドオーナーの最優先事項。買い控えが続く今は商品群を絞る局面、新商品を次々投入して裾野を広げていない。また鶏卵の供給不足と高騰で、これを材料に用いる商品は製造に消極姿勢。卵は加工食品に多用されるため、減産に与える影響は大きいのでは――。粘着紙の出荷減を分析する、樹脂版メーカー担当者の見解に首肯する
 
▼日用品の再三再四の値上げが一服する時を、鶏卵の供給量が増え価格が落ち着く日を待つほかないか。晴れも雨も半々で、と運を天に祈るのか。外部環境に左右されるわれわれに、この先別の”想定外”が到来したら。さらにパラダイムシフト、破壊的イノベーションの登場という別軸の事由で将来ラベル需要が減る世界線もあるのでは
 
▼フィルム資源を循環させていけば、プラスチックは悪から都市鉱山に。企業活動をどう静脈産業にすり合わせ、サーキュラーエコノミーを達成するか。ラベルと同じ包装分野、グラビア印刷業界の会話だ。脱プラという豪雨暴風の環境下から一歩進むための丁々発止が続く。「フィルムの専門家として業界の範であれ」。総会で共有されたトップの檄が熱を帯びる。
 
(2023年7月1日号掲載)

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