㈱三成社シール印刷(東京都新宿区水道町、鷹埜元昭社長、☎03・3260・7948)、エイ・ティー・ロムジャパン㈱(茨城県守谷市大木、盛田一實社長、☎0297・45・6771)とラベラーメーカーの㈱ラベリング(神奈川県綾瀬市上土棚北、浅見栄一社長、☎0467・76・8822)の3社は、専用ラベラーでラベルを積層化して多層ラベルを製造する独自技術を共同で開発した。別々に印刷したロールラベルが上層と下層を構成する仕様で、従来の製造方法では難しかった形状や素材の異なるラベルの積層化や、多層ラベルの小ロット製造を可能とした。「ピギーバックラベル」と命名し、3社はこのほど受注を開始した。
おんぶ、相乗りを意味する英語のピギーバック(piggyback)を由来としたピギーバックラベルは、ラベリングが開発した専用機「ピギーバックラベラー」を使用して、別々のロールラベルを±0・5㍉の貼付精度で積層化したもの。輪転機などの専用機を使用することなく、名称が示す通り〝ラベルにラベルを貼る〟ことで多層ラベルを製造するという新たな技術を確立した。
別々のラベルを貼合して製造するピギーバックラベルは、上層と下層で形状が違うものを積層化できるほか、紙とネーマーなど異なる素材でも構成可能と、従来にない独自表現が大きな特長。さらに2層以上の積層もできるという。なお下層ラベルの表面にはシリコーン塗工もしくはシリコーンラミネート等を施すか、もしくは上層に再剥離性を持つラベルを採用する必要がある。
ラベルサイズは最小20×20㍉から最大50×50㍉(上層ラベルはこれより2㍉以上小さい必要あり)。日産加工能力は20×20㍉で約10万枚、製造コストは「条件次第では従来の手法に比べて2分の1以下」(鷹埜社長)という。
3社はピギーバックラベルの受注を開始しており、三成社シール印刷とエイ・ティー・ロムジャパンは主に印刷から加工までの全般を、またラベリングは積層加工のみの受注も請け負う。今後は同ラベラーの販売も視野に入れており、鷹埜社長は「誰でも広く利用いただけるような運用を選択した。小ロットから供給可能なピギーバックラベルで潜在需要を掘り起こし、市場の活性化に寄与したい」と述べる。
上写真は、ラベリングが開発した「ピギーバックラベラー」
詳細は、ラベル新聞1月15日号で